2005 Fiscal Year Annual Research Report
再生細骨材を使用した高靭性セメント複合材料に関する研究
Project/Area Number |
17760462
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
渡部 憲 東海大学, 工学部, 講師 (10384934)
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Keywords | コンクリート / 繊維補強コンクリート / 高靭性セメント複合材料 / 再生細骨材 / 繊維 / 曲げ破壊 / 圧縮破壊 |
Research Abstract |
本研究では、最近注目を集めている「高靭性セメント複合材料(DFRCC)」を取り上げ、コンクリートのリサイクルをより積極的に推し進めるため、再生細骨材を使用したDFRCCについて検討を行った。 1.調合決定のための研究 細骨材種類(再生H:吸水率3.25%、再生M:吸水率4.32%、天然)、水セメント比(35〜60%)、繊維混入率(0〜3%)および繊維混合使用割合(ビニロン繊維のみ、若しくはビニロン繊維と鋼繊維の混合使用)を実験要因として調合を作成し、練り混ぜを行った。その結果、再生細骨材を使用した場合でも、天然細骨材を使用した場合と同程度のフレッシュ性状を有するDFRCCの調合が得られた。 2.硬化後物性解明のための研究 上記の調合を用いて製作したDFRCC試験体の切欠き梁3点曲げ試験および圧縮試験を実施した。また、DFRCCの適用の可能性を模索するため、既製杭を対象とした有限要素法による解析も実施した。その結果、以下の知見が得られた。 (1)再生細骨材を使用した場合でも、十分なひび割れ分散性、曲げ靭性および圧縮靭性を有するDFRCCが実現可能である。 (2)曲げ試験において、水セメント比が35%や40%といった比較的高強度となる領域では、ビニロン繊維と鋼繊維を混合使用することにより、効果的にDFRCCの曲げ靭性を改善できる。 (3)圧縮試験においても、ビニロン繊維と鋼繊維を混合使用することにより、効果的にDFRCCの圧縮靭性を改善できる。 (4)既製杭を対象とした解析の結果、杭先端の根固め部にDFRCCを使用することにより、杭先端支持力増大効果の得られる可能性が高いことがわかった。
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