2006 Fiscal Year Annual Research Report
緑化が空調システムの省エネルギーに及ぼす効果の予測法と検証に関する研究
Project/Area Number |
17760468
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
王 福林 京都大学, 工学研究科, 助手 (30378814)
|
Keywords | 省エネルギー / 建築環境・設備 / 熱工学 |
Research Abstract |
本年度には次の研究を行い,成果を発表した。1)応答係数法を用いて,1分間隔の室温シミュレーション方法を検討した。この方法を用い,1分間隔の空調機のオン・オフ挙動をシミュレートし,より正確のエネルギー消費量を推定した。実測値と比較し,エネルギー消費量の推定精度を検証した。シミュレーション値と実測値の二乗平均誤差は実測値の18.7%であり,概ね精度よく推定できた。本手法を用いて,ルームエアコンディションナーの制御最適化・エネルギー性能分析に役に立つと考えられる。2)地域冷暖房熱源システムの省エネルギーのために最適運転を検討した。実地域冷暖房熱源システムを例として,冷凍機・冷却塔・ポンプ・蓄熱槽などの熱源機器をモデル化し,各機器のモデルを繋がり,熱源システムのモデルを作成した。これを用いて,いくつの運転改善案の省エネルギー効果をシミュレートした。検討結果により,最適の冷却水温度で運転すれば,エネルギー消費量2.2%削減できごとと,冷水戻り温度が設定値の13.5度に維持すればエネルギー消費量9.5%削減できることがわかった。3)緑の日射遮蔽効果・蒸散冷却効果により空調機のエネルギー消費量へ与える影響を解析した。夏季冷房期の時系列日射量・実空調機の実測排熱量を用いて,空調排熱量に対する東西南北各方向への鉛直面日射量の割合を計算した。計算結果により,緑の日射遮蔽より,5%〜10%程度の省エネルギー効果があることがわかった。蒸散冷却効果について,夏季冷房期の時系列冷房負荷を用いて,外気温度が緑の蒸散作用により湿球温度まで下がる場合の空調機のエネルギー消費量を計算した,緑のない場合のエネルギー消費量と比較すると,約7%〜15%程度のエネルギー削減できることがわかった。この試算結果に基づき,来年度に実システムを作り,省エネルギー量が実際にどの程度あるかを確認する。
|
Research Products
(4 results)