2006 Fiscal Year Annual Research Report
潜熱蓄熱材をロックウール天井材に応用した駆体蓄熱システムの研究
Project/Area Number |
17760475
|
Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
近藤 武士 神奈川大学, 工学部建築学科, 助手 (90333153)
|
Keywords | 潜熱蓄熱 / 躯体蓄熱 / ピークシフト運転 |
Research Abstract |
本研究は、天井チャンバによる冷房システムに融点約25℃の潜熱蓄熱材を天井材として適用した躯体蓄熱システム(潜熱蓄熱天井システム)における効果を把握した。通常冷房時に天井材に冷蓄熱を行い、ピーク時に熱源容量を削減する、ピークシフト運転を行った。24時間運転の実験および数値シミュレーションによって、蓄熱時、通常運転時、ピークシフト時の室内温熱環境の把握および空調機負荷を把握した。前年までの研究で使用したものと同じ試作ロックウールPCM天井材を使用して、より実システムに近い運転を行い、本システムにおけるピークシフト運転の可能性、電力負荷平準化効果の検討を行った。前年度までは、実験室の熱負荷が夜間又は昼間で一定であったのに対し、本年度の実験では、外界からの非定常の熱:負荷を想定した負荷を実験室内に与えて実験を行った。結果として、ピークシフト運転時の空調機負荷は、実冷房負荷に比べて41%少ない結果となった。日積算負荷では、空調機負荷と実冷房負荷は概ね同等であり、空調機負荷の夜間移行率が22%であり、ランニングコスト削減が可能であることが分かった。 数値シミュレーションによる検討では、熱源容量削減効果や、前年度課題となった低負荷時の過剰蓄熱防止のため、設定温度の対象をPCM天井材下表面温度に設定し、過剰蓄熱の対策を行った。結果として、積算空調機負荷はPCM天井材がRW天井材使用時に比べ8%大きい結果となった。しかし、夜間移行率が15%であるため、ランニングコストはRW天井材使用時の96%となり、蓄熱量制御をPCM天井材表面温度で行うことにより、夜間蓄熱量の適切制御が確認できた。熱源容量削減の検討では、PCM天井材を用いることによって、10〜15%程度の機器容量削減が可能であることが分かった。
|
Research Products
(2 results)