2006 Fiscal Year Annual Research Report
自然素材で構成された「伝統構法住宅」の環境調整性能の解析とこれからの住まいづくり
Project/Area Number |
17760476
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Research Institution | Aichi Sangyo University |
Principal Investigator |
宇野 勇治 愛知産業大学, 造形学部・建築学科, 講師 (80367838)
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Keywords | 伝統構法住宅 / 室内温熱環境 / 瓦屋根 / 土壁 / 熱伝導 / 調湿 |
Research Abstract |
本研究は、「地場産木材を用いた木組み」や「土壁」などによる『伝統構法住宅』の熱的な特性を明らかにすることを目的としている。主な研究内容は『伝統構法住宅の室内温熱環境実測調査』、『土壁の伝熱特性および吸放湿特性についての実験』、『土葺き瓦屋根の伝熱特性についての実験』などを実施することである。 これまでに『伝統構法住宅の実測調査』では、愛知県および静岡県の伝統構法住宅8件、現代型木造住宅3件、RC造住宅2件を対象に実測調査を行った。1階居間などに小型温湿度記録計を設置し、気温および湿度の計測を行った。RC造住宅は、若干気温は低く、絶対湿度は外気が高湿となった場合に伝統構法住宅よりも若干高湿となる傾向がみられた。引き続き伝統構法住宅、現代型木造住宅の対象数を10件以上に拡大し、計測を実施している。また、郷土史などから地域性についての考察を加える予定である。 『土壁の伝熱特性および吸放湿特性についての実験』では、伝統構法による土壁試験体2体、グラスウール等を充填できる空洞の試験体1体を制作した。さらに、外壁に相当する試験体、内壁に相当する試験体も数種類制作した。制作後1から3ヶ月の時期において、「湿度を変化させた場合の土壁の重量変化」の計測、気温条件の異なる2室間に設置して「熱貫流量」の計測を行った。今後、土壁の乾燥が進行した状態での計測を行う予定である。 『土葺き瓦屋根の伝熱特性についての実験』では、土葺き(下地:杉野地板・杉皮)、土葺き(下地:合板・ルーフィング)、桟葺きの3体の試験体(屋根面が約1.2×1.2m)を制作した。桟葺きの試験体の瓦面及び野地面の温度が低温で、土葺きの試験体のほうが高温となった。また、熱流量の計測から葺き土が蓄熱体となり、蓄えた熱を夜間に室内に放出する傾向がみられた。得られたデータの詳細な分析を行っている。
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Research Products
(1 results)