2005 Fiscal Year Annual Research Report
寒冷地の地域性を踏まえた高密居住地のあり方に関する研究
Project/Area Number |
17760480
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
真境名 達哉 室蘭工業大学, 工学部, 講師 (80333657)
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Keywords | 小雪寒冷地 / 高密居住地 / 除雪 / 屋外利用 |
Research Abstract |
本年度は統計資料などを基に、北海道における調査対象地の選定および対象地に関する文献調査を行った。対象地は、多雪地域を代表し札幌市、小雪寒冷地として寒さの厳しい釧路市と北海道においては温暖である室蘭市を比較対照地とした。釧路市に関しては、高密居住地を白地図より10箇所ほど選出し、外部空間の使われ方やその様子などの実地調査を行った。調査の結果、釧路における高密居住と室蘭など北海道南部の高密居住のあり方とは実地調査における利用の状況では異なるとの結果を得た。 また札幌市および室蘭市に関しては、行政を中心とした除雪の仕組みに関する調査を行い、道路幅員による除雪方法の違い、およびそれらの多雪地と小雪地の比較考察も行った。調査では特に生活道における除雪の頻度などが少ないことより、生活道を中心としたコミュニティに特徴的な集団の質があることが予想されている。室蘭市に関しては、前年度より継続的に調査を行っている母恋地区の市街地を対象に、屋外空間の利用を実測している。 研究では、今後の分析および考察に必要な社会心理学の知見についても、文献調査よりその獲得に大きな労力を割いている。「信頼」や「規範」などの視点は、高密居住地における近隣交際に大きく関わると予想され、特にこれらの知見を得ることで、寒冷地における除雪の行為がそのコミュニティに大きく関わる予想を得ることができた。 本年度の発表論文では、以上より特に、室蘭市の母恋地区における研究成果をまとめ寒地シンポジウムで発表を行った。
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