2006 Fiscal Year Annual Research Report
地方都市郊外戸建住宅地における居住の継続と開発抑制に関する研究
Project/Area Number |
17760487
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
原田 陽子 福井大学, 工学研究科, 助手 (00377475)
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Keywords | 地方都市 / 郊外住宅地 / 空区画 / 未利用地 / 区画統合 / 複数区画利用 / 不在地主 / 土地利用・土地活用 |
Research Abstract |
本研究では、郊外部での戸建住宅地開発が継続的に行われている福井市周縁の郊外部を対象に、既に開発された住宅地における自律的な住環境形成と、これ以上の不必要な開発抑制のために必要な物的・質的課題について検討を行うことを目的としている。 これまでの主な研究実績としては、以下の3点が挙げられる。 1)福井市周縁の郊外部において、これまでに開発された住宅地の把握・整理。 2)福井県坂井市春江町において数十年前に開発され「空区画」及び「区画の統合化」が活発な住宅地を対象に、複数区画利用プロセスの実態について明らかにすると共に、空区画の利用実態や土地所有関係について調査を行ってきた。ここから、区画統合など複数区画利用を行った動機としては「駐車場を設けるため」や「2世帯住居とするため」、「畑や花壇にするため」であることが明らかとなった。また連続する空区画では以前ゲートボール場として利用され、これには自治体から固定資産税などを優遇する措置がとられたり、コミュニティーガーデンとして追加で買い足した区画を地域に開放する世帯が見られるなど、空区画がコミュニティ形成の場になっている実態が明らかと成った。 3)未利用地の多くは不在地主が所有しており、不在地主を対象としたアンケート調査では、「子供の居住地として確保」や「資産として購入」したものの、実際には、子供が居住地とすることも無く、思うような価格で土地が売れないために、未利用地化している実態が明らかとなった。そして、団地居住者に草刈などをしてもらう代わりに無料で貸すことについて、不在地主は必ずしも否定的に捉えておらず、賃貸による暫定利用の可能性があることが明らかと成った。 なお、2006年度後半からは、近年、団地規模や住戸規模が小規模な住宅地の散発的開発が継続的に行われている福井県鯖江市西部地域を対象に、実態調査を進めつつある。
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