2005 Fiscal Year Annual Research Report
民間から公共化した住環境の利用者による管理運営方法(住民型PFI)の検討
Project/Area Number |
17760488
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
薬袋 奈美子 福井大学, 工学部, 講師 (60359718)
|
Keywords | 住民 / 住環境 / 管理・運営 / 遊園地 / 跡地 / 用途転換 / 公園 / 自治体 |
Research Abstract |
長引く不景気の煽り等を背景に、全国で大型民間施設の用途転換が進んでいる。これは比較的ゆとりある空間利用であったために、地域の空間構成上、オープンスペースとして住民に認識されてきていた空間が減少することにつながる。中でも遊園地は、民間企業の遊戯施設ではあっても、地域でのゆとり空間、公園に代わる空間として認識されてきていた場所が多いが、景気の悪化に伴い閉鎖され、大規模なマンションや商業施設に代わった。本研究では、全国の遊園地の閉鎖状況の実態を明らかにするとともに、都市における居住地の質に対するインパクト等にかんする課題を整理する。 閉鎖された遊園地をインターネットの検索で、1990年以降に閉鎖された遊園地を取り上げる。遊園地として選ぶものについては、全国のリスト同様の基準を用いている。なお、本研究では、閉鎖により、空間の使い方が大きく変化したものを扱っており、運営組織のみの変更については、閉鎖された施設とはしていない。 このようにしてあげられた施設39箇所のうち、約16施設は、もともと鉄道会社が経営していたものである。鉄道会社では、沿線開発の一環として、終着駅付近、或いは都市部から離れた郊外に遊園地を建設し、集客施設として経営を続けてきていた。建設当初は都市郊外部であったものでも、都市の拡大とともに、より高度利用できる可能性を持つ地域と変貌してしまうことや、レジャーの多様化による古くからある遊園地の生き残りの難しさ、また景気の悪い状態が続く中にあって、売却などによる収益を期待する動きなどの状況があり、閉鎖が相次いでいると考えられる。 跡地利用状況についても整理をした。公園として再び利用されている施設も少なくはない。中には経営主体が代わり、内容が現代のニーズに合うように整備されて、再びレジャー施設として利用されているものも見られる。
|