2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17760491
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 哲 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (10293888)
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Keywords | 犯罪不安感 / 高齢者 / 戸建住宅団地 / 訪問販売 / 戸建住宅 |
Research Abstract |
母都市から30-40分の私鉄沿線の郊外に造成、開発された戸建住宅団地のうち、開発から約20年、30年、40年を経過した3団地の個別の住宅でとっている防犯対策や費用など2005年度に実施した調査で得たデータをもとに、訪問販売への心配、空巣への心配との判断を左右する項目を、決定木(CHAID)を用いて明らかにした。 空巣への心配では、「町の防犯安全性」「空巣や盗難などの何らかの被害があるか否か」「緊急時に友人・知人が来るか否か」の判断が、いずれも3度「空巣への心配」の有無での分岐に用いられており、これらの判断が空巣への心配を左右すること、また、交差検証後の正答率もいずれの団地でも高い値を示すことを明らかにした。訪問販売への心配では、「玄関で簡単な話だけ聞いて帰ってもらう、玄関先で長時間話を聞いてしまう」で「訪問販売への心配/有」の割合が非常に大きくなっていることを明らかにした。上記のような応対で、訪問販売への心配の割合が高くなることは容易に想像がつくが、これと日中に長時間いる部屋が居間のある階の個室以外である場合などに、訪問販売への心配の占める割合が、調査対象の全体での割合よりも大きくなっていたことは注目に値する。 TVモニタ付インタホンの防犯機器の有無や設置期間、その初期投資金額などは、空巣への心配、訪問販売への心配に対する判断を左右する事項とはなっていなかった。防犯対策の年間経費を0円より多く支払うグループで、また、センサー付ライトの設置期間では3年より長い場合に、空巣への心配への心配が相対的に多くなることも明らかにした。 また、2006年度開始した高齢世帯の住居を訪れる人の種類や時間帯と訪問客への応対、その時々の防犯に対する意識などを継続的に記録する調査のうち、冬に実施したデータの分析(訪問者の種類やその応対と防犯に対する意識との関係)を始めた。これについては2007年度も調査を継続実施し、研究をとりまとめている。
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