2005 Fiscal Year Annual Research Report
非整形形態がもつ建築的意味と形態から発見される使用法に関する研究
Project/Area Number |
17760509
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Research Institution | Sapporo School of the Arts |
Principal Investigator |
那須 聖 札幌市立高等専門学校, インダストリアル・デザイン学科, 講師 (50291349)
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Keywords | 非整形形態 / 建築的意味 / 機能 / 使用法 / 設計手法 / 設計根拠 / 設計論理 |
Research Abstract |
本研究は、直交する壁や床で形成されない建築部位を非整形形態と定義し、それらの形態の現代の建築空間における使用法、形態を生成論理を明らかにするものである。 平成17年度は、以下の2点について、基礎資料の収集と予備実験を行った。 一点目は、非整形形態を持つ建築の事例の収集と、そこに用いられている形態の類型化である。まず、国内の建築雑誌を概観し、国内外の事例を「GA JAPAN」、「A+U」の2誌それぞれ各3年分について、直行座標以外の構成法によって、建築物の平面・断面が構成されている事例を収集し、その設計根拠と形態について整理した。その結果、以下に示すような代表的な論理が見られることがわかった。 1.建築形態自体の可能性の追求(形態の生成→形態の理解→機能の発見) 2.建築空間の機能を滑らかな形で包含しようとするもの(機能の定義→室・空間の設計→非整形形態による包含) 3.外的要因(敷地形状)と建築構成の調停機能としての建築形態(環境の理解/機能の定義→環境の境界面としての非整形形態) 4.利用者の知覚効果に配慮した建築形態への曲面の利用 5.フラクタル幾何学の応用(一見、複雑に見える形態を単純な論理で構築する)(部分の手法の決定→室・空間の設計→部分の手法の全体への展開) これらの論理の他に、個々の事例で多くの論理が試みられていることがわかったが、研究対象とした非整形形態に固有の論理と言えるものが必ずしも全てではなく、整形の建築物においても同様の論理が見られる場合がありうる。したがって、研究対象として整形の事例も含めた上で、非整形形態の特殊性を把握する必要があることがわかった。また、18年度へ向けての予備実験として、非整形形態をもつ建築物の平面形状の心理評価実験を行い、形態認識に関する実験方法のあり方を考察し、現在、思索中である。 成果の公表については、日本建築学会における公表を予定している。
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