2006 Fiscal Year Annual Research Report
ジャワ島におけるチャンディ建築の設計方法・技術に関する研究
Project/Area Number |
17760519
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小野 邦彦 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (50350426)
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Keywords | チャンディ / ジャワ / ヒンドゥー / 仏教 / 造営尺度 / 寸法計画 / 中部ジャワ時代 |
Research Abstract |
2008年3月に実施した二度にわたるジャワ島における調査にて、クドゥ地域のチャンディ・ムンドゥット、チャンディ・パウォン、チャンディ・ルンブン、チャンディ・アスゥ、チャンディ・プンデムの補足実測を行った。昨年度の主要な調査対象として選定した中部ジャワ北部山間地、ジャワ最初期の遺構群の寸法データの分析から得られた造営尺度との相異を明らかにすべく、検証を進めている。当初、調査対象として考えていたプランバナン地域のチャンディ・セウ、チャンディ・プランバナン、チャンディ・プラオサン、チャンディ・ソジワン等の主要遺構が、2007年5月27日のジャワ島中部地震で損壊を受け、予定の変更を余儀なくされた次第である。筆者は文化遺産国際協力コンソーシアムによる国際文化協力事業、「世界遺産プランバナン等の被害状況調査」に専門家として参加し、プランバナン寺院等の被災した遺跡の修復履歴・保存修復史について暫定的な報告を行っている。本研究課題で目的としている建築の設計方法・技術は、未解明の問題に対する先駆的研究として位置づけられるのは当然ながら、当該建築の保存修復事業に資する基礎的資料としても有用である。最終年度は、現地インドネシア政府の今後の被災遺跡修復計画策定にも資する研究の展開を図りたいと考えている。
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