2005 Fiscal Year Annual Research Report
常温イオン液体中の金単結晶上ナノアイランド崩壊過程の電気化学AFMその場観察
Project/Area Number |
17760533
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平井 信充 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (50294020)
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Keywords | 常温溶融塩 / イオン液体 / 原子間力顕微鏡 / 金単結晶 / 電気化学インピーダンス / ナノ構造 / イオン性液体 / 走査型プローブ顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究の目的は、様々な常温イオン液体中において、金単結晶上のナノアイランドの崩壊過程について電位制御下で観察を行い、アイランドを取り囲む環境、具体的には、常温イオン液体/金単結晶界面に形成されるポテンシャル場がアイランドの崩壊過程に与える影響について明らかにすることである。 本年度は、3種類の常温イオン液体、具体的には、EMImTFSI、BMImBF_4、BMImTFSIを用いて実験を行った。これらのイオン液体中において、Au(100)単結晶上の孤立したナノアイランドが、どのように崩壊していくかについて観察を行った。観察には、電気化学原子間力顕微鏡を用い、基板の電位はAg/Ag^+参照電極を用いた3電極方式にて制御した。観察の結果、以下のことがわかった。 ・いずれのイオン液体中においても、ナノアイランドの崩壊が起こった。 ・その崩壊速度(アイランド面積の減少速度)は時間に対して一定であったことから、ステップからの原子の離脱がアイランド崩壊の律速過程であることがわかった。 ・電位が貴になるに従い、アイランド崩壊速度は増加した。 これらの結果は既に報告済である硫酸水溶液中、EMImBF_4中の結果と同様であった。 また、EMImカチオン共通であるEMImBF_4中とEMImTFSI中の結果を比較すると、同じ電位(フェロセンの酸化還元電位基準)では、EMImTFSI中の方がEMImBF_4より崩壊速度が大きかった。更に、EMImカチオン共通であるEMImBF_4中とEMImTFSI中の崩壊速度は、BMImカチオン共通であるBMImBF_4中とBMImTFSI中の崩壊速度と比較して、電位に対する崩壊速度の増加率が大きかった。以上のアイランド崩壊速度のイオン液体種依存性のメカニズムについては、次年度以降の電気化学交流インピーダンス測定等を通じて、明らかにする予定である。
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