2007 Fiscal Year Annual Research Report
常温イオン液体中の金単結晶上ナノアイランド崩壊過程の電気化学AFMその場観察
Project/Area Number |
17760533
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平井 信充 Osaka University, 大学院・工学研究科, 講師 (50294020)
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Keywords | 常温溶融塩 / イオン液体 / 原子間力顕微鏡 / 金単結晶 / 電気化学インピーダンス / ナノ構造 / イオン性液体 / 走査型プローブ顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究の目的は、様々な常温イオン液体中において、Au(100)単結晶上のナノアイランドの崩壊過程について、電位制御下における電気化学原子間力顕微鏡によるその場観察を行うと共に、電気化学インピーダンス測定を行い、アイランドを取り囲む環境、具体的には、常温イオン液体/金単結晶界面に形成されるポテンシャル場がアイランドの崩壊過程に与える影響について明らかにすることである。 今年度は、過去2年間に得られた知見を元に、4種類の常温イオン液体、EMImBF_4、EMImTFSI、BMImBF_4、BMImTFSI中におけるAu(100)単結晶上について、電気化学インピーダンス測定の結果からゼロ電荷電位や表面過剰電荷はどのように見積もるか、それらが各イオン液体中におけるナノアイランド崩壊過程とどのように関係するのかについて解析を行った。 その結果、電気二重層容量の極小値からEMImBF_4のゼロ電荷電位(PZC)は-2.OVであることがわかった。一方,EMImTFSI、BMImBF_4、BMImTFSIに関しては電気二重層容量の明確な極小値が確認できなかった。そこで、使用した常温溶融塩すべてのPZCがEMlmBF_4中のPZCと等しいと仮定して、リップマンの式を参考に平井が提案した、表面過剰電荷を電位についてPZCから壊速度を観察した電位まで積分した値が、ナノアイランド崩壊速度と比例するとした式に代入したところ、EMImTFSI、BMImBF_4、BMImTFSIの比例係数はほぼ一致したが、EMImBF_4の比例係数はこれらと比較して5分の1程度であるという結果が得られた。
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