2005 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー集光照射結晶化プロセスの空間温度プロファイル計測と機構解明
Project/Area Number |
17760540
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
紅野 安彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (90283035)
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Keywords | 結晶化ガラス / レーザー照射 / 結晶化パターニング / 空間分光法 / 有限要素伝熱モデル |
Research Abstract |
1.顕微分光学的手法を用いた異質相の温度および形状の計測 現有設備である3次元空間分光顕微鏡の試料ステージ上に、波長808nmの半導体レーザーを加熱源とする集光照射光学系を構築した。この光学系は、(1)空間分光顕微鏡のステージ上で動作し局所加熱領域近傍の空間分光観察が可能であること、(2)種々の出力端を有する他のレーザーへの接続が可能であり、結晶化パターニング時の多様な照射条件を再現しうること、等に特徴を有するものであり、空間分光による蛍光観察、Raman散乱観察を可能にした。また、集光照射光学系による結晶ドット、ラインパターンの形成を確認した。 2.レーザー伝播および熱伝導を考慮した有限要素伝熱モデルの構築 レーザー光のガラス表面近傍への集光照射時のレーザー光伝播、光吸収、非輻射緩和による熱エネルギーへの変換、温度上昇、熱伝導および熱歪誘起に関する有限要素伝熱モデルを構築した。入力パラメータとして、レーザー波長での吸収係数、熱伝導係数、比熱、密度(以上、ガラス物性によるもの)、レーザー波長、レーザー強度、集光深さ、開口数(以上、照射条件によるもの)、および境界条件を自由に変化させることが可能であり、レーザー照射の実験モデルとして利用可能とした。入力パラメータの典型値としてレーザー照射の実験系の値を代入した結果、照射領域において妥当な温度プロファイルの経時変化が得られた。レーザー照射領域の最高到達温度により生成した異質相を分類すると、(1)ガラス転移温度以下:応力誘起と屈折率の可逆変化、(2)ガラス転移温度:仮想温度変化による屈折率の不可逆変化、(3)軟化温度:流動による表面形状の変形、(4)結晶化温度:結晶生成、となる予想に対して、レーザー照射モデル計算によるエネルギー収支の観点においても、これらの分類による異質相形成予測の妥当性が示された。
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Research Products
(3 results)