2005 Fiscal Year Annual Research Report
磁場誘起マルテンサイトバリアント変換を用いたマイクロブレーキパッド
Project/Area Number |
17760556
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 篤史郎 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (40334049)
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Keywords | マルテンサイト変態 / バリアント変換 |
Research Abstract |
マイクロブレーキパッドとしてFe-Pdを用いるために,まず,Fe-Pdのマルテンサイト変態温度の組成依存性を詳細に調査した.変態温度測定に用いたFe-Pd試料は液体急冷法により作製したリボン材である.母合金はArアーク溶解により作製した.本合金系試料は急冷によって液体からFCCオーステナイト相もしくはFCTマルテンサイト相に相変態する.変態温度の測定は一定応力下における熱サイクル試験によって行った. Pd濃度が30原子パーセント近傍のFe-Pdのマルテンサイト変態温度は,Pd濃度が0.1原子パーセント増加するとおよそ10K低下することが分かった.室温で磁場誘起マルテンサイトバリアント変換を生じるためには室温でマルテンサイトFCT相でなければならないが,そのためにはPd濃度が29.8原子パーセント以下である必要があった.他方,室温で応力誘起マルテンサイト変態を生じるには室温でオーステナイトFCC相である必要があるが,そのような温度は試料中にPdが30.3原子パーセント以上含まれていなければならない. 一方,マルテンサイト温度を示差走査熱量計により測定することを試みたが,ほとんどの試料がマルテンサイト変態に伴う変態熱を生じなかった.一部の試料では変態を示すピークが見られるものもあり,変態温度を測定するための標準ツールである示差走査熱量計により変態熱の小さなマルテンサイト変態を測定出来るようになるためのヒントがあると考えられる.
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