2006 Fiscal Year Annual Research Report
アップグレードを指向したリサイクル型鉄アルミナイド基複合材料の創製と耐摩耗特性
Project/Area Number |
17760557
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
糸井 貴臣 千葉大学, 工学部, 助手 (50333670)
|
Keywords | 構造・機能材料 / 機械材料 / トライボロジー / 金属間化合物 / 複合材料 |
Research Abstract |
高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)の研削スラッジと廃アルミニウム缶ペレットを純Fe及び純Alと仮定してFe-28at%Alに秤量し、高周波溶解炉を用いて溶解してリサイクル型の鉄アルミナイド(Re-Fe_3A1)を作製した。その際、本年度はSUJ2に含まれる炭素に着目して、両廃材の溶解中に種々の遷移金属(Ti, Zr, V, Nb)を添加し、カリバイド分散型のRe-Fe_3Alの作製を試みた結果、これらの遷移金属は溶湯内で炭素と反応し、添加した遷移金属の違いにより種々の異なるカーバイドとして生成し、種々のカーバイドが分散したRe-Fe_3Al複合材料が作製可能であった。硬さは、388HV0.5(TiC)、473HV0.5(ZrC)、456HV0.5(NbC)および380HV0.5(V_4C_3)であり、何れの複合材料もRe-Fe_3Alと比較して硬い事が明らかとなった。摩耗特性を調べた結果、荷重の増加に伴ってその差は明確となり、何れの荷重においてもRe-Fe_3組が最も摩耗量が多く、各種の炭化物炉分散した試料の摩耗量が少なく、その中でもおよびNbCが分散した合金の摩耗量が少なかった。88Nの荷重においてNbCが分散した合金では摩耗量が308μm(すべり距離188m)であり、Re-Fe_3Alの560μmと比較して半分程度であった。また、鋳鉄(FC200)と出発材であるSUJ2(焼き入れ後)の88Nにおける摩耗量はそれぞれ、FC200で1100μmおよびSUJ2は215μmであった。以上の結果から、本研究で創製したカーバイド分散型のRe-Fe_3Al/TMC複合材料はわずかな遷移金属の添加により、より硬さや摩耗特性において付加価値が向上し、出発材であるSJU2(焼き入れ後)と比較すると、同等もしくは、やや耐摩耗特性は劣るもめの、鋳鉄と比較すると優れた耐摩耗特性を有している事がわかった。
|
Research Products
(1 results)