2005 Fiscal Year Annual Research Report
炭化珪素のナノ化によるセラミックスの自己き裂治癒能力の高機能化
Project/Area Number |
17760562
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
中尾 航 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助手 (60361870)
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Keywords | 自己き裂治癒能力 / 構造用セラミックス / セラミックス基複合材料 / 自己複合化 / ナノコンポジッド / 高温強度 / インテリジェント材料 / 機械材料 |
Research Abstract |
以下の反応による自己複合化反応を用いて,き裂治癒能力に優れるアルミナ-炭化ケイ素超微粒子複合材の作製を行い,そのき裂治癒能力を調査した. 3(3Al_2O_3・2SiO_2{ムライト})+8Al+6C=13Al_2O_3+6SiC 得られた結果より,以下のことが分かった. 上記反応は,1300℃では10時間,1400℃では5時間で完全に終了するが,常圧焼結によって緻密な焼結体を得ることはできなかった.1800℃,1時間の加圧焼結により,相対密度が98.5%以上となる緻密な焼結体が得られた. 生成する炭化ケイ素の形状は,原料粉末の炭素の形状に大きく影響することがわかった.原料炭素粉末を直径20nmのものを用いることで,アルミナ-炭化ケイ素超微粒子複合材の作製が可能となった.また,生成した炭化ケイ素粒子の粒径は50nm以下であった. 作製したアルミナ-炭化ケイ素超微粒子複合材は,500MPaの室温曲げ強度を有していた.200MPaまで強度が低下する表面長さ100μmの反楕円き裂を1000℃,10時間の熱処理により完全にき裂治癒でき,受納材以上の600MPaまで強度が回復することが分かった.従来の方法で作製したアルミナ-炭化ケイ素粒子複合材は,同様のき裂を10時間で完全に治癒するためには,1200℃以上に昇温する必要があった.また,1000℃でき裂治癒を行う場合には300時間以上の熱処理時間が必要であった.よって,炭化ケイ素のナノ化により,き裂治癒温度の高速化および低温化に成功した.
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Research Products
(1 results)