2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイルドプロセスによる3次元ナノ構造を有する機能性界面の創出
Project/Area Number |
17760569
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上田 正人 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40362660)
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Keywords | セラミックス / 表面・界面 / 形態制御 / ナノ構造 / 水熱合成 / 酸化チタン / 薄膜 / Ti合金 |
Research Abstract |
表面反応が関与する機能性材料では、表面形態がその諸特性に強い影響を及ぼす。本研究では、、光電極・光触媒等の幅広い応用が期待されるTiO_2膜をTi基板上にマイルドプロセスで合成する手法、ならびに表面形態の制御手法ついて検討した。Ti基板を(8×8×2^t[mm])を353Kに保持した9M H_2O_2/0.1M HCl水溶液中に20〜120min浸漬させた(H_2O_2処理)後、H_2O_2、1〜10MのNH_3水溶液に浸漬し、オートクレーブ中にて423〜473K-2〜24hの水熱処理を施した。H_2O_2処理により得られたアモルファス状のアナターゼ型TiO_2のXRDピークは、水熱処理後、シャープになり、低温で熱処理しているにも拘らず、TiO_2膜の結晶性は著しく向上した。生成したTiO_2結晶は約20〜80nmの角柱状を呈し、膜面垂直方向に001配向していた。熱処理温度が高くなると、生成するTiO_2結晶は微細化されると共にサイズ分布が広くなる傾向が認められた。検討した合成条件の中では、453K-24hの場合、最も均一な組織が得られた。また、結晶サイズはNH_3濃度の増加と共に増大した。Ti-2at.%Nb基板を9M H_2O_2/0.1M HNO_3水溶液に浸漬した後、1M NH_3水溶液中で、453-24hの水熱処理を施すと、アナターゼ型(Ti_<0.983>Nb_<0.017>)O_<2+δ>が合成された。Nb添加により、角柱状のTiO_2結晶は顕著に微細化された。アモルファス状TiO_2膜の膜厚は、H_2O_2処理時間と共に増加し、水熱処理を施すと約70%に減少した。また、Ti-Nb基板上に合成した膜は、Ti基板上のそれに比べ、若干薄くなる傾向が認められた。得られたTiO_2膜、(Ti,Nb)O_2膜は、500W Xeランプによる光照射下でギ酸を分解し、光触媒活性を示した。
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