2006 Fiscal Year Annual Research Report
ガスデポジション法による高強度セラミックスの常温製膜
Project/Area Number |
17760570
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
赤尾 尚洋 鳥取大学, 工学部, 助手 (70335503)
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Keywords | 材料工学 / セラミックス膜 / 表面改質 / ガスデポジション法 / 耐食性 / 耐熱性 / 耐摩耗性 |
Research Abstract |
加工の容易な金属材料に,耐摩耗性,耐熱性,耐食性のよい高強度セラミックスをコーティングできれば,互いの利点を生かした優れた構造材料となりうると考えられている.しかしながら,現在適用されている手法はいずれも高コストであり,かつ腐食に弱い低融点金属材料(Al, Mg合金等)にコーティングするには不向きである.ガスデポジション法(コールドスプレー法,エアロゾルデポジション法とも言われる)は,上記の困難を克服しうる手法として,近年注目を集めている.この方法では,原料粉末を被覆材に高速(〜500m/s)で吹き付けるのみで,高融点のセラミックスを常温でコーティングすることが可能となる.そこで,このガスデポジション法を用いて,高強度セラミックス(アルミナ)の金属材料へのコーティング手法を確立することを目的とする. 【これまでの成果】 (1)連続的な製膜実験を可能とする大容量(650l/min)真空ポンプを備えたガスデポジション装置を製作した. (2)さらに,原料粉末の連続供給装置の設計開発を行い,これにより連続製膜実験を行うことが可能となり,実効的な製膜パラメータの最適化が可能となった. (3)飛行時間測定原理に基づいた実質的な粒子速度の測定装置を設置し,粒子速度と各種パラメータとの相関を調査した.その結果ガス種としてはHeが適しており,原料粒子径は最適値を持つことがわかった. (4)以上の改良を行なった実験装置を用いて,アルミナ/アルミニウム基板の製膜実験を行った. 以上の結果より,ガスデポジション法により各種基板に対し10μm程度のセラミックス(アルミナ)皮膜を室温で形成できることがわかった.形成された皮膜は緻密なアモルファス状態であり,熱処理により再結晶化するが,膜質は多孔質となった. 【今後の課題】 以上の知見より,膜厚及び製膜品質の向上を図るため,製膜メカニズムのより詳細な検討が必要である.
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Research Products
(1 results)