2006 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学的手法による強磁性金属および化合物半導体ナノワイヤーの作製
Project/Area Number |
17760581
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大貝 猛 長崎大学, 工学部, 助教授 (60253481)
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Keywords | ナノワイヤー / テンプレート / ポリカーボネート / メンブレンフィルター / 電析 / 鉄族金属 |
Research Abstract |
直径30nm,100nm,200nm,800nmの円柱状ナノポアーを有するメンブレンフィルター中に、純Niナノワイヤーを電析成長させることに成功した。得られた純NiナノワイヤーをSEM観察した結果、ナノワイヤーの形状は、テンプレートの形状を精密に反映しており、高アスペクト比形状を有していることが判明した。また、このNiナノワイヤーを高密度に配列させたナノワイヤーアレイ電極を作製し、カソード分極曲線を測定した。その結果、平板状の電極と比較して、10倍ほどの表面積増大効果が認められた。更に、Ni薄膜、直径100nmのNiナノワイヤーアレイ、直径30nmのNiナノワイヤーアレイの磁化曲線を測定した。膜面に対して垂直方向に磁場を印加した場合、Ni薄膜に比べNiナノワイヤーアレイでは小さな外部磁場で飽和磁化に達し、また、ナノワイヤーの直径が小さくなるにつれ角型比が1に近づき、保磁力が増加することが判明した。これは大きなアスペクト比を有するナノワイヤー特有の形状効果および多磁区構造から単磁区構造への磁区構造の変化が主要因と考えられる。また、純Co、純Fe、Ni-Fe合金でも同様の実験を行ったところ、同様の傾向が得られた。一方、水溶液から電析可能な化合物半導体についても上述のテンプレート法による半導体ナノワイヤーの作製を試みた。ZnTe合金の最適電析条件を調査した結果、電析時の陰極電位が-0.6〜-0.7V(vs.Ag/AgCl)の時に、ZnとTeが1:1で共析する化学量論組成となることが判明した。また、電析時の電解液温度が80℃以上の場合、ZnTe(111)が優先配向した結晶性の良い電析物が得られた。分光光度計でバンドギャップを測定した結果、約1.83eVであり、電析物が半導体的性質を示すことが判明した。
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