2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17760585
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
水谷 正義 慶應義塾大学, 大学院理工学研究科・非常勤嘱託 (50398640)
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Keywords | バイオマテリアル / バイオインプラント / 表面改質 / 精密加工 / 研削 / 骨融合性 / 生体親和性 / 生体活性 |
Research Abstract |
1.電気化学反応援用によるバイオマテリアルの表面改質加工プロセスの開発: 本研究ではまず,超精密鏡面研削技術であるELID(電解インプロセスドレッシング)研削法の原理を応用し,バイオマテリアルの表面改質加工システムを考案した.本システムは,ワークに対してプラスの電位を与えることにより,ELID研削プロセス中の電解により発生した研削液中の水酸イオンを加工面と効率的かつ積極的に反応させるというものである.これにより,加工面に厚く強固な酸化皮膜を形成させることが可能となった.また,ワークに与えるプラス電位を調節することにより,加工面に形成される酸化皮膜の膜厚を制御可能となる. 2.バイオマテリアルに対する骨融合性の付与: バイオマテリアルに対する骨融合性の付与にはまず,上記システムにおける酸化反応時間を長く設定することにより,加工面での外部酸化を促し,(骨芽)細胞の付着に有効な微細形状を有する酸化皮膜の創製を行った.その結果,その加工面には約2μm程度の微細な凹凸を形成可能となることを明らかとした.これは加工面で過度に酸化が進み,酸化反応が外方に進行する外部酸化反応が起きることにより形成されたものであると考えられる.一般的にこのような微細凹凸面は細胞の接着を促進するということが知られているが,本技術では加工プロセス中にそのようなテクスチャーを形成可能となり,高い骨融合性を付与することが可能となると考えられる. また,加工中ワークが常に晒される研削液の成分に注目し,化学的な観点から骨融合性(生体活性)を付与することを試みた.その結果,現時点では研削液成分を変えることにより,表面の化学組成が変化することを確認している.ただし,この点に関する詳細は検討段階であり,次年度の課題として更なる分析の必要があると考えている.
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