2005 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界二酸化炭素ドライクリーニング技術用界面活性剤の開発
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17760595
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
鷺坂 将伸 弘前大学, 理工学部, 助手 (60374815)
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Keywords | 超臨界流体 / 二酸化炭素 / 界面活性剤 / マイクロエマルション / 逆ミセル / 洗浄 / 分子集合体 / 水 |
Research Abstract |
1.水/超臨界CO_2混合物の相挙動観察装置を作製した。この装置について、400barまでの耐圧試験を行い、装置内容積を測定した。 2.これまでに得られている超臨界CO_2用分子設計論とマイクロエマルション形成のチャンピオンデータを有する8FS(EO)_2の構造をもとに、数種の界面活性剤を設計し、合成を行った。なお、分子設計論の基礎となる因子は、界面活性剤分子の立体的構造(親水基に対してかさ高い疎水基(親CO_2基))と、水に溶けにくいような親水性/親CO_2性のバランス(Hydrophilic/CO_2-philic Balance(HCB))、界面吸着力を高める疎CO_2性の強い親水基、それに加えて液晶形成を阻害する構造の乱雑さ(親CO_2基への分岐構造の導入、エチレンオキシド導入による柔軟性の付与、2本の親CO_2基への非対称性の導入)である。次年度では、これら新規界面活性剤のマイクロエマルション形成能力を相挙動観察装置により評価する。 3.マイクロエマルション形成能力に秀でる8FS(EO)_2に数種の助界面活性剤を混合し、その混合界面活性剤の界面張力低下能力を評価した。その結果、助界面活性剤を混ぜることで単独のものよりも遙かに高い界面活性効果が得られることが確認できた。 4.8FS(EO)_2/助界面活性剤混合系のマイクロエマルション形成能力について評価したところ,ほんの数種については混ぜることで正の相乗効果を現した。これは、水/超臨界CO_2マイクロエマルション系でも界面活性剤の混合により正の相乗効果が得られることを実証した初めてのケースである。 しかし、残念ながらその相乗効果の程度は低く、8FS(EO)_2単独の性能を超えるものはまだ確認できていない。これは,助界面活性剤が界面張力低下効果に貢献するものの,逆ミセル構造を不安定化させる効果(大きな液滴間凝集相互作用)も同時に現すためと考えられる。
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