2005 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界水溶液のpH測定用電気化学マイクロセルの開発
Project/Area Number |
17760596
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
陶 究 日本大学, 生産工学部, 助手 (60333845)
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Keywords | 超臨界水 / pH / 電気化学マイクロセル / 解離定数 / イオン反応平衡 / 有機酸 / 推算モデル / 電位差測定 |
Research Abstract |
超臨界水反応場を利用したナノ粒子合成やバイオマス資源からの有用化学原料回収プロセスは実用化を視野に入れた研究が積極的に進められている。一方で、プロセス設計の上で不可欠となる物性データは測定法自体が確立していないこともあり僅少である。特に、イオン反応の平衡定数は、微粒子合成機構の解明のみならず、化学原料回収においても目的物の収率や選択率の向上を検討する際、副生する有機酸の解離挙動の把握が重要な因子であるため、そのデータの蓄積は急務と考える。また、これら有機酸は熱的に不安定であるが、超臨界水中での反応時間が秒オーダー以下であるため、このような時間内では安定に存在する。 そこで本研究では、高精度かつ微小装置内滞在時間で超臨界有機酸水溶液のpHを電位差法により測定し、解離定数を決定するための流通式電気化学マイクロセルの作製を行った。作製したセルは白金水素電極を用い、絶縁性のアルミナ管をセル材とし内部に参照電極・指示電極設置用および参照溶液および被検液流通用の計4つの流路を加工した。なお、高耐食性のハステロイチューブおよび継手をアルミナチューブに外接させることで高温高圧下での測定を可能とした。両溶液はセル内に供給後、ハステロイチューブに外接させたシースヒータにより急速に昇温され、所定温度まで昇温する。その後、個々の電極測定部と接触した後、両溶液は接触混合し、セル外へ排出される。この間の電位差を測定する方法である。セルの内容積は1.5cm^3であり、従来のセルと比較して1/10も減少させることに成功した。実際に超臨界水溶液の電位差測定を行った結果、電位安定までの時間が短縮し、測定精度も向上することを確認した。今後は、更にセル内容積を小さくしたセルの設計を進める予定である。
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