2005 Fiscal Year Annual Research Report
高透過速度を実現するゼオライトナノクリスタル分離膜の創製と高度分離プロセスの開発
Project/Area Number |
17760604
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
多湖 輝興 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20304743)
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Keywords | シリカライト / ゼオライトナノクリスタル / 親水性ゼオライト膜 / 浸透気化分離 / 界面活性剤 / シラノール基 / 分離膜 / ゼオライト膜 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高透過速度と高分離能を可能とするシリカライトナノクリスタル積層膜の合成と、それによる高度分離プロセスの開発である。 本研究の分離膜では、水分子はシリカライト結晶粒界に形成されたシラノール基と水分子のネットワークを介してゼオライト膜を透過する。従って、ナノスケールで均一なゼオライトナノクリスタルの合成とその粒子径制御は、水分子の透過速度と分離係数に最も影響を与える。そこで、当研究室で開発した界面活性剤共存下でゼオライトを合成する新規調製法において、シリカライトナノクリスタル結晶サイズに影響を与えるパラメーターの検討を行った。その結果、水と界面活性剤のモル比、シリカ源濃度、及びシリカ源とゼオライト形成のテンプレートモル比が結晶サイズと結晶性に大きく影響することがわかった。前述のパラメーターを変えることにより、シリカライト結晶サイズが60nm〜200nmの範囲で制御された、均一なシリカライトナノクリスタルが得られた。 支持体であるアルミナフィルターの内部を吸引することで、上記単分散シリカライトナノクリスタルをフィルター外表面上に均一に積層させ、さらに物理的に固着させるため、再度水熱合成によるシリカライト保護層を形成させた。ナノクリスタル積層と保護層の厚さとが共に約3マイクロメートルの膜を合成することができた。 結晶サイズの異なるシリカライトナノクリスタルを用いてシリカライトナノクリスタル積層分離膜を作製し、アセトン水溶液からの水の選択分離実験を行った。透過速度と分離係数がナノクリスタル結晶サイズに依存することを明らかにし、結晶サイズ60nmのナノクリスタルを用いたとき、透過速度7mol/(h・m^2)、分離係数∞を達成した。次年度は、エタノール/水系、エタノール/ベンゼン系に展開する。
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Research Products
(5 results)