2005 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界二酸化炭素流体内のレーザーアブレーションによる機能性ナノ微粒子合性と制御
Project/Area Number |
17760607
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
村上 能規 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (70293256)
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / アブレーション / シリコンナノ微粒子 / 溶媒和 / 操作型電子顕微鏡 / photoluminecsence / ICCD / 粒径制御 |
Research Abstract |
本研究では特定の粒子径のみで構成されるシリコンナノ微粒子を選択的に生成することで赤、緑、青色の単色発光を持つシリコンナノ微粒子の合成法の開発を目指し、超臨界流体下でのシリコン基板のアブレーションと生成したシリコンナノ微粒子の粒子径観測を行った。実験はシリコン基板にレーザーアブレーションが可能な超臨界二酸化炭素流体発生装置を製作し、縦横1cm角に切断したシリコン基板を超臨界二酸化炭素流体内に固定、焦点距離15cmの紫外集光用レンズによりエキシマーレーザー光であるXeClレーザー(308nm、100mJ/pulse)の光をシリコン基板上に集光し、各種二酸化炭素超臨界流体条件において生成する微粒子を捕集し、走査型電子顕微鏡(SEM)で生成したシリコン微粒子の観察を試みた。超臨界二酸化炭素の温度は50℃に固定し、圧力を3.0MPから14MPaまで変化させ、シリコン基板近傍における超臨界二酸化炭素の溶媒和構造を変化させた。超臨界状態でアブレーション後、超臨界容器の二酸化炭素を排気、残ったシリコン基板をとりだし、そこに堆積している微粒子を採取してその微粒子径を観察した。シリコン基板には集光による窄孔があり、その周囲に黄褐色の粉末が飛散していた。さらに、その生成した微粒子の微細構造を確かめるため、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察を試みた。その結果、超臨界二酸化炭素の圧力が大きくなるほど生成するシリコン微粒子の径が小さくなる傾向があることがわかった。近年、斉藤らのグループにより、シリコンのナノ微粒子の可視吸収スペクトルが超臨界の圧力、温度にともない変化することを報告しており、本研究結果と対応する結果となっている。また、超臨界二酸化炭素流体中のアブレーションでシリコンナノ微粒子が可視発光するかどうかについて検討するため、石英基板上にアブレーションで生成したシリコン微粒子に355nmのYAGレーザー3倍波を照射し、発生する発光(Photoluminescence、以降PL)をICCDにより検出することを目的として、実験を行った。しかし、PL発光は検出限界以下であり、測定できなかった。今後、微粒子の捕集効率を上げ、そのアブレーションで精製したシリコン微粒子の結晶構造等の解明、TEM観察、PL測定等を行い、その粒子径制御への指針を得る予定である。
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