2005 Fiscal Year Annual Research Report
モレキュラーインプリンティングマンガン錯体例媒の表面設計と不斉光酸化反応の制御
Project/Area Number |
17760613
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
唯 美津木 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (70396810)
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Keywords | 固定化錯体 / 不斉触媒反応 / 選択酸化 / 金属クラスター / モレキュラーインプリンティング / Diels-Alder反応 / 表面修飾 |
Research Abstract |
シリカ表面に不斉シッフ塩基を配位した不斉バナジウム単核錯体に固定化し、2-ナフトールの不斉,カップリング反応に優れた触媒活性を示す新規固定化触媒の設計に成功した。表面のシラノール基との反応によって生成したフェノール部位との水素結合によって、シリカ表面でバナジウム錯体の不斉自己組織化が誘起され、不斉バナジウムダイマーが形成されることを見出した.2つのバナジウム錯体が水素結合で連なることにより、中心に不斉金属中心を有した不斉反応場空間が構築され、この活性構造、反応空間を密度汎関数DFT計算により、明らかにした。2-ナフトールと分子状酸素との段階的な反応、反応各段階におけるキャラクタリゼーションから、カップリング反応のメカニズムを明らかにした。 不斉ビスオキサゾリン(BOX)をシリカ表画に固定化し、Cu前駆体を配位させることで、シリカ固定化Cu-BOX錯体触媒を調製した。この固定化表面をメタクリル基やオクタデシル基などの有機官能基を有するシランカップリング剤で修飾すると、表面においてDiels-Alder反応の不斉選択性が著しく増加することを見出した。不斉選択性の増加度は、表面修飾したシランカップリング剤の有機官能基側鎖の種類とサイズに依存しており、特にメタクリル基を有するシランカップリング剤で修飾した場合に飛躍的な不斉選択性の増加が見られた。メタクリル基と不斉BOX配位子との間に水素結合が働き、不斉配位子の周辺を立体的に制御することで、BOXに配位したCu錯体上での不斉選択性が増加したものと考えられる。
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