2005 Fiscal Year Annual Research Report
限定空間において超高選択的な触媒反応を実現するナノスペースマテリアルの創製
Project/Area Number |
17760614
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小倉 賢 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (50298155)
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Keywords | ゼオライト / メソ多孔体 / ナノコンポジット / ZMM-n / 気相輸送法 / 触媒 / 固体酸性質 / 炭化水素吸着 |
Research Abstract |
本研究では,ミクロ-メソ-マクロの異なる細孔径領域を階層的につなぐ材料の創製とその応用を指向している。本年度の成果として,ミクロ多孔体=ゼオライト,メソ多孔体=メソポーラスシリカとし,メソポーラスシリカを原料としてその細孔壁を部分的にゼオライトへと結晶化させる有機アミン分子を気相から供給する方法(Vapor-Phase Transport : VPT)を開発した。この方法により,ゼオライトライクな強酸性質を有する均質メソポーラス物質が調製できることが確認された。酸触媒もしくは炭化水素の吸着剤として,原料のメソポーラスシリカやゼオライトには無い特異的な性質を示すことを明らかにした。他にも様々なミクロ-メソナノコンポジット材料をVPTにより合成することに成功した。例えば,ゼオライトとしてはZSM-5,Ferririteといった様々な酸性質や細孔径をもっゼオライトのVPTを試みた。一方メソポーラスシリカには,一般的なMCM-41やMCM-48といったアルカリ条件下で合成される高表面積なもの,SBA-15,SBA-16など酸性条件下で合成される壁厚の大きいもの等,様々なメソ構造や細孔壁厚をもつ材料を適用することができた。合成のポイントはアルミニウムであり,アルミニウムを起点としたゼオライト核形成およびゼオライトのビルディングユニットが成長するモードがあることを明らかにした。これらメソおよびマクロ構造を限定させるために,ナノポーラスカーボンを型材として適用し,その回りにミクロ構造体を結晶化せしめることに成功し,得られた物質群にZMM-nと命名した。
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Research Products
(6 results)