2006 Fiscal Year Annual Research Report
固体材料表面への新規なタンパク質付着配向制御技術の開発
Project/Area Number |
17760624
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
今中 洋行 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 助手 (10379711)
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Keywords | 付着 / 親和性ペプチド / 固定化 / 吸着等温線 / 超好熱菌 / クッションタンパク質 |
Research Abstract |
まず,固体表面親和性ペプチドタグをタンパク質に連結することにより付着の配向性を確保するタンパク質固定化法について,ポリスチレン(PS)をモデル表面とした検討を行った.PS親和性ペプチドをGlutathion-S-transferase(GST)のC末端に連結した融合タンパク質を固定化後,GSTのN末端配列認識抗体を用いてELISAを行ったところ,高度に配向が制御されていることがわかった.一方,目的タンパク質と固体表面との間に相互作用を緩和するクッションタンパク質を挟み込むという,金属表面への新規なタンパク質固定化法についても検討を進めた.本年度はステンレスおよびチタン表面にそれぞれ高い親和性を示すペプチド(それぞれSS25:RRGSTWEGEGDA,TBP:RKLPDAPGMHTW)を高い物理強度を有する超好熱始原菌Thermococcus kodakarensis由来RNaseHII(RNaseHII_<TK>)に連結した各種クッションタンパク質を用いて,様々な条件のもと吸着実験を行った.チタン表面に対しては吸着場のpHが6-7の場合,全てのタンパク質は直角型の吸着平衡関係を示したが,TBP連結クッションタンパク質は不可逆吸着率が96%と最も高い値を示した.また酸性pH領域(pH3-4)では吸着量の低下が見られたが,野生型のRNaseHII_<TK>と比べると吸着量は多かった.これらのことから,TBPを介したチタン表面への吸着が強く示唆された.一方,ステンレス表面に対する吸着実験では,SS25連結クッションタンパク質についてのみ直角型の吸着平衡関係が見られ(pH6-7),不可逆吸着率に関しても92%であった.以上,金属表面親和性ペプチドを連結させたクッションタンパク質を利用することで,タンパク質を固体表面上に強固に付着させることが可能であることがわかった.
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Research Products
(1 results)