2007 Fiscal Year Annual Research Report
固体材料表面への新規なタンパク質付着配向制御技術の開発
Project/Area Number |
17760624
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
今中 洋行 Okayama University, 大学院・自然科研究科, 助教 (10379711)
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Keywords | 付着 / 親和性ペプチド / 固定化 / ステンレス / ポリスチレン / クッションタンパク質 / 超好熱菌 / バイオ分子 |
Research Abstract |
固体表面との相互作用を緩和する「クッションタンパク質」として,物理的強度が高い単量体タンパク質である超好熱菌Thermococcus Kodakaraensis由来Ribonuclease HII(HII)を利用し,モデル表面としては親水性ポリスチレン(PS)およびステンレス(SUS316L)を用いて,バイオ分子の固定化特性の調査を行った.N末端に各種固体表面親和性ペプチドを連結したHIIのC末端にHis-tag(モデルペプチド) または緑色蛍光タンパク質(GFP)(モデルタンパク質)を連結した各種キメラタンパク質をそれぞれ発現,精製した.そして,まずこれらを親水性PSプレート上に固定化し,ELISAによって固定化率,検出感度を調べた.その結果,His-tagについては,表面高親和性タグ(PS-tag : RAFIASRRIKRP)+HIIに連結することで1000倍濃度のタンパク質(BSA)共存下においても優先的に表面に固定化できることがわかった.さらにHIIのC末端にフレキシブルリンカー(FL : GGGS)を挿入することにより,酵素標識抗His抗体を用いた検出の感度向上がみられた.また,GFPを固定化した場合,PS-tagだけではなくHIIも連結した方が,より強固な固定化が可能であった.一方,ステンレス表面へのペプチド(His-tag)の固定化についても検討を行ったところ,ステンレス高親和性タグ(SS-tag :ADGEGEWTSGRR)+FLに連結した場合に比べ,HIIをSS-tagとFLとの間に挿入することで,検出感度が劇的に向上した.すなわち,抗体に標識化された検出用酵素とステンレス表面との相互作用がHIIの挿入により高度に低減されたと考えられた.これらの結果から,固体表面親和性ペプチドおよびFLを連結したHIIを「クッションタンパク質」として固定化対象のバイオ分子に連結することで,各種表面上に対して,配向および構造を維持しつつ優先的かつ機能的に固定化しうることがわかった.
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Research Products
(4 results)