2005 Fiscal Year Annual Research Report
がん治療のための血管新生抑制分子産生細胞包括サブシーブカプセルの開発
Project/Area Number |
17760627
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
境 慎司 九州大学, 工学研究院, 助手 (20359938)
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Keywords | 細胞治療 / 細胞包括カプセル / サブシーブカプセル / アガロース / マイクロカプセル |
Research Abstract |
本年度は、(1)カプセル材料の選定と物質交換性能、(2)包括細胞の生存性、(3)カプセル径の微小化による生体適合性の変化の3点に関して重点的に評価を行い、それぞれに関して以下の様な知見を得た。 (1)カプセル材料の選定と物質交換性能 細胞を包括する材料に関して、温度架橋性高分子のアガロースを用いた検討を行った。その結果、再現性よくサブシーブサイズのカプセルを狭い粒子径分布で作製できる材料であることを明らかにした。さらに、物質交換性能に関する検討を行った結果、本研究の特色であるカプセル径の微小化によって、既存のカプセルと比較して細胞の生存や薬理物質の放出に非常に有利となる、著しい物質交換性能の向上が達成されることを明らかにした。 (2)包括細胞の生存性 材料および物質透過特性に関して良好な結果が得られたアガロースサブシーブカプセルに動物細胞を包括して、生存活性に関する評価を行った。その結果、サブシーブカプセル内に包括された動物細胞は、2ヶ月程度その生存活性を示し続けることを見出した。この結果は、本動物細胞包括サブシーブカプセルを細胞治療に用いることが可能であることを示している結果である。 (3)カプセル径の微小化による生体適合性の変化 細胞包括カプセルを生体に対して適用した場合に、大きな問題となり多くの研究者がその解決法の開発に尽力しているのがカプセルの生体適合性である。本研究で、直径が異なるカプセルに関して、実験動物を用いた埋め込みカプセルへの異物反応の程度を調べた。その結果、従来の径の直径1mmカプセルと比較して、サブシーブカプセルでは異物反応が1/7程度に抑えられることが明らかとなった。これによって、サブシーブサイズへの径の微小化が及ぼす有効な面を新たに明らかにした。
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Research Products
(3 results)