2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜とタンパク質との間のストレス誘導性相互作用のオンタイムモニタリング法の開発
Project/Area Number |
17760631
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Research Institution | Wakayama National College of Technology |
Principal Investigator |
森田 誠一 和歌山工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (70332054)
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Keywords | リポソーム / ペプチド / タンパク質 / 細胞膜 / 水晶振動子微量天秤 / ストレス応答 / アミロイド |
Research Abstract |
1.リポソームの固定化 先行研究(科研No.15760592)に引き続き,リポソームの電極上への固定化を検討し,中性リポソーム()および脂肪酸(ステアリン酸および9Z,12Z-リノール酸,9Z,11E-リノール酸,9E,12E-リノール酸)混合リポソームについてカルボキシチオールあるいはアミノチオール単分子層修飾金電極への吸着,固定化量を水晶振動子微量天秤(QCM)で経時的に追跡することができた。 2.リポソーム-タンパク質間相互作用の検出 ウシ炭酸脱水酵素をモデルタンパク質としてタンパク質のQCM固定化リポソーム(1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセド-3-ホスホコリン,中性)への吸着量を測定した。タンパク質の吸着量はタンパク質を変性させるために用いた塩酸グアニジンの量に依存し,かつタンパク質が変性中間体となる濃度で最大値を示した。これは,従来報告されている結果と一致し,リポソーム固定化QCMがタンパク質のコンホメーション変化を追跡するセンサとして利用できる可能性が示唆された。 3.リポソーム-アミロイド性ペプチド間相互作用 アミロイド線維形成ペプチドとしてアミロイドβペプチドを用い,種々の脂肪酸を混合したリポソームへの吸着量を測定した。用いたリノール酸の構造異性にかかわらず,ステアリン酸を混合したリポソームへの吸着量に比べて,リノール酸混合リポソームへの吸着量は小さいことが確かめられ,従来考えられた,流動性の違いに加えて,脂質膜中の不飽和結合の存在が,アミロイドβペプチドの吸着に関係している可能性が示唆された。
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