2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜とタンパク質との間のストレス誘導性相互作用のオンタイムモニタリング法の開発
Project/Area Number |
17760631
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Research Institution | Wakayama National College of Technology |
Principal Investigator |
森田 誠一 和歌山工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (70332054)
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Keywords | リポソーム / LB膜 / ペプチド / 細胞膜 / 水晶振動子微量天秤 / 表面圧-面積等温線 / アミロイド / ストレス応答 |
Research Abstract |
1.脂質膜-アミロイドβペプチド間相互作用の検出 先行研究(科研No.15760592)の手法を応用し,リン脂質(1,2-ジミリストイル-sn-グリセド-3-ホスホコリン)に脂肪酸(ステアリン酸およびリノール酸(9Z,12Z),リノール酸(9Z,11E),リノール酸(9E,12E))を混合(モル比100/40)したリポソームを水晶振動子電極上に固定化した。リポソーム固定化水晶振動子のアミロイドβペプチド(Aβ)溶液中での振動数変化から,Aβはステアリン酸を混合したリポソームには吸着するが,いずれのリノール酸異性体を混合したリポソームには吸着しないことがわかった。このことから,脂質膜内の不飽和結合の存在がAβの吸着を妨げていると考えられた。 2.脂質膜構造にあたえる混合脂肪酸の影響 気液界面上に展開したリン脂質/脂肪酸混合単分子膜(混合比:0.0-1.0)を用いて,表面圧-分子面積等温線を測定した。表面圧の分子面積依存性からステアリン酸混合膜では,液体膨張膜状態から液体凝縮膜状態への明確な相転移が認められたのに対して,リノール酸混合膜では相転移が明確に現れなかった。また,一定の表面圧に対する分子面積の脂肪酸モル分率依存性は,リノール酸混合膜の場合すべての表面圧においてリノール酸とリン脂質に反発力が働いていることを示したの対して,ステアリン酸混合膜では液体膨張膜状態ではステアリン酸とリン脂質の間に反発が認められたが液体凝縮膜状態では両分子間に引力が働いていると考えられた。このような,相転移挙動や膜内における分子間の相互作用の違いは,ドメイン形成などの膜構造の違いをもたらすと推測され,Aβの吸着との関連も予想された。
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