Research Abstract |
17年度に開発したリール機構を搭載した無人飛行システムを構築し,自律飛行試験を実施した. 本システムは,機体と地上局に分かれ,機体は,構体・パラフォイル・プロペラエンジン・リール機構・通信機・各種センサ・PC・バッテリから,地上局は,通信機・PC・バッテリから構成した.センサはGPSとジャイロ・加速度センサ・地磁気センサ(各3軸)を用いた.また,通信機には,コマンド用送受信・テレメトリ用送受信だけでなく,緊急停止用送受信の系統も用意した.本システムは,プロペラエンジンのスロットルおよび左右のリール機構の引きしろを調整することでフライトする.地上局側から機体側へコマンドを送信する手動制御と,機体自身がセンサ情報から判断する自律制御を切り替えられることが大きな特徴であり,フライト時に自律制御を部分的に取り込むことで,制御アルゴリズムを構築していった. まず,自律制御による着陸制御試験を行った.離陸後に,GPSデータから特定高度に達したことを判断したら,エンジンを段階的に減速して安全に着陸させた.着陸直前に左右のリール機構を大きく引くフレア制御を追加し,よりすばやい着地も実現した.次に,高度・方向制御を実施した.GPS・ジャイロデータを踏まえ,エンジンスロットルにより高度を,左右のリールの引きしろにより方向を,それぞれ制御し,目標高度・目標方向のフライトを行った.さらに,回転制御として,片側のリールを大きく引き,特定の点を中心に一定の半径で回転する制御も達成した. 現在,これらを組み合わせた自律フライトを試験中である.すなわち,高度・方向制御により目標地点に向け巡航し,目標地点付近で回転制御および着陸制御を行うことでピンポイントな着地を目指している.巡航中のパスを設定したフライトも検討中である.
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