2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17760643
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
段 烽軍 東京大学, 大学院工学系研究科, 助手 (40376489)
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Keywords | 環境影響 / 評価システム / GIS |
Research Abstract |
本年度には、二つの側面から環境影響評価システムの研究を進めた。 一つ目は、昨年度に引き続き、オホーツク海における下記のシステム作りを行った。 ・構築した自然環境データベースを充実した。特に海洋一次生産データに関して、収集した現場観測データにより、衛星観測データの検証を行い、さらに海氷条件との関係を検討した。 ・昨年度検討・選定した数値モデルを用いて、世界でも初となる海洋-海氷-生態系の連成計算を行った。まだ十分とはいえないが、氷海域生態系の基本的な動きを再現できた。 ・データベース・数値予測モジュール・GISの連動により、環境影響評価システムを構築した。しかし、開発活動のデータが十分ではなかったため、影響評価自体は仮評価にとどまった。 ・研究室内で評価結果のネットワーク配信システムを試作した。 二つ目は、上記の環境影響評価システムを東京湾の環境修復に適用し、システム検証を行った。 ・東京湾の海域浄化能力を高める環境修復技術の適用を研究対象にした。 ・必要なデータを収集・整理し、データベース化した。 ・GISの空間解析機能を活用し、データベースにより、複数の修復技術の適用プランを考案した。 ・それぞれのプランに対して、数値モデルにより提供効果を予測した。 ・幾つの生物化学指標と経済指標により、各プランに対する評価を行った。 上記の検証により、本研究の目的とした環境影響評価の枠組みが有効であることを確認できた。これの活用により、海洋開発プロジェクトの計画段階において、開発活動の影響を自然環境面と社会経済面から迅速かつ分かりやすい形で評価し、社会合意形成と意思決定に資することが期待できる。今後は、より高精度の数値予測とより有効な評価指標の開発が課題である。
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Research Products
(2 results)