2006 Fiscal Year Annual Research Report
大気波浪結合モデル及び合成開口レーダーに基づく海上風況推定手法の確立
Project/Area Number |
17760644
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大澤 輝夫 神戸大学, 海事科学部, 助教授 (80324284)
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Keywords | 洋上風力発電 / メソ気象モデル / 合成開口レーダー / 海上風 |
Research Abstract |
本研究では,洋上風力発電の開発の支援を目的として,メソ気象モデルによる数値シミュレーション及び人工衛星搭載の合成開口レーダーを用いることにより,沿岸海域の海上風を高精度に推定する手法の確立を試みた.今年度得られた成果を以下に列記する. 1.人工衛星RADARSAT-1及びENVISAT搭載の合成開口レーダー画像をデータ処理し,風速推定アルゴリズムCMOD4により海上表層風速を算出した.京都大学防災研究所が所有する白浜海象観測所の海洋鉄塔における海上風観測値との比較により,そのRMS誤差はそれぞれ1.64m/s及び1.93m/sであることが示され,この精度はメソ気象モデルMM5による風速推定値の精度を上回ることが確認された. 2.メソ気象モデル及び合成開口レーダーが対象とする100km程度までの沿岸海域の風速推定精度の裏付けをとる目的で,気象庁メソ客観解析値及びQuikSCAT衛星搭載散乱計データを用いて日本周辺海域の年平均風速を調査した.デンマークの海洋鉄塔から得られた経験式により風速の高度補正を行い,また30年間のNCEPデータで年々変動の補正をかけた結果として,高精度な海上の年平均風速マップが作成された. 3.メソ気象モデルMM5と波浪モデルSWANを結合し,さらに強風時に水面直下に形成されるバースト層を組み込んだ海洋モデルCCMを結合することにより,大気-海洋-波浪結合モデルを構築した.風車ハブ高度の風速を比較した結果,メソ気象モデルMM5単体の風速値と比べて大きな差は確認できず,波浪による海面摩擦よりも大気安定度の方が風車ハブ高度の風速推定には影響が大きいことが明らかになった.
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Research Products
(3 results)