2005 Fiscal Year Annual Research Report
衛星データを使ったサンゴ礁地形による消波効果の評価に関する研究
Project/Area Number |
17760646
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
作野 裕司 広島大学, 大学院工学研究科, 助手 (20332801)
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Keywords | サンゴ礁 / リモートセンシング / ASTER / 奄美大島 / 底質 / 藻場 / 消波効果 / 衛星 |
Research Abstract |
本研究は解像度が数十mの衛星画像データを使って,自然のサンゴ礁地形による消波効果の評価することを目的とし,本年度は以下のような研究実績を残した。まず「衛星の可視画像による自然のサンゴ礁底質分布の現状を把握する技術」を確立するため,衛星可視画像データ(Terra/ASTER,Landsat/TM・ETM画像)を使ってサンゴ礁底質分布の抽出を行った。この調査は様々なサンゴ礁地形が存在し,筆者が調査経験のある奄美大島を対象として行われた。画像からのサンゴ礁底質分布の抽出には従来の研究で有効とされる「水深補正アルゴリズム」と新たに本研究で導入した「生物の季節変化を利用したアルゴリズム」を併用した。前者のアルゴリズムは「底質が同じならば異なる2つのバンド(波長帯)の反射輝度値の対数は水深にかかわらず傾き(対象とする水域における2つのバンドの消散係数比に相当する)が一定となる」という基本原理を用いて,異なるバンドの反射率データを利用してサンゴ礁のみを抽出する方法である。一方,後者のアルゴリズムは「藻は季節変化をし,サンゴは季節変化をしない」という特徴を元に,生物を分類する手法である。本研究では両者の手法を組み合わせることにより,多時期の衛星データを使って奄美大島北東部(佐仁地区,用地区を対象)における生物分類を行った。その結果,藻地帯における衛星緑波長の輝度値は冬期にサンゴとの差が大きくなり,多時期の衛星データを組み合わせることで,藻とサンゴを画像判別できる可能性が高いことが判明した。
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Research Products
(5 results)