2006 Fiscal Year Annual Research Report
衛星データを使ったサンゴ礁地形による消波効果の評価に関する研究
Project/Area Number |
17760646
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
作野 裕司 広島大学, 大学院工学研究科, 助手 (20332801)
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Keywords | サンゴ礁 / リモートセンシング / ASTER / 奄美大島 / 底質 / 藻場 / 消波効果 / 衛星 |
Research Abstract |
本研究は解像度が数十mの衛星画像データを使って,自然のサンゴ礁地形による消波効果の評価することを目的とし,本年度は主に「自然のサンゴ礁地形による消波効果の評価」を確立するため,衛星マイクロ波画像データ(JERS-1/SAR及びENVISAT/ASAR)を使ってサンゴ礁地帯の波高推定のための研究を行った。現地調査は様々なサンゴ礁地形が存在し,筆者が調査経験のある奄美大島を対象として12月に行った。 SAR画像を使ったサンゴ礁地帯の波高推定には,理論的なアプローチと経験的なアプローチが考えられる。理論的なアプローチは,波浪スペクトルを画像から推定する際のモデルパラメーターの設定が難しいため,今回は衛星/実測データセットを利用した経験的なアルゴリズムを導入した。具体的には,まず多時期の衛星データ(1992〜1998年のJERS-1/SARデータ,33シーン)を二次元フーリエ変換し,その積分値と実測波高データを比較した。その結果,両者には高い相関(R=0.78)があり,約0.6mの推定精度でSARデータから波高を推定できることがわかった。また波周期別にみると,長周期ほどその相関は高く,短周期では相関は低い傾向にあった。さらに,最近のSARデータとしてENVISAT/ASARによる波高推定も試みようとデータは入手したが,研究期間内に実測データを入手することができなかったため,定量的な波高推定はできなかった。このような結果から,JERS-1/SARデータから,サンゴ礁内外の波高を推定し,その消波効果を計算した。その結果,時期的な差はあるものの,奄美大島北部のサンゴ礁発達地帯において,概ね5〜50%の消波効果が推定された。
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Research Products
(3 results)