2006 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝的アルゴリズムを用いた外航定期船航路編成生成システムの研究開発
Project/Area Number |
17760652
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Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
小林 充 独立行政法人海上技術安全研究所, 物流研究センター, 研究員 (10373416)
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Keywords | 遺伝的アルゴリズム / 最適化 / 外航定期船 / 海上輸送 |
Research Abstract |
前年度に明らかになった試作システムの有する問題点について、改善を行うこととし、次のような作業を行うことで新たな最適化システムを作成した。 ・貨物の経路配分算出手法に、多項ロジットモデルを取り入れ、PIERS米国税関データベースからの貨物量カウントをもとに最尤法によってパラメータ決定をした。これにより、資料の収集の難しい航路ごとの特徴(運賃や営業力、営業方針等)や、貨物到着までの所要日数と集荷力の関係を数値化した。また、どの経路にも割り当てられない貨物が極力少なくなるように割当を行った。これによって、貨物量の経路配分結果が現状の貨物流動に近いものとなった。 ・従来システムが寄港曜日を基とした染色体表現であり、変異や交叉に対する耐性がなく致死個体の発生確率が高いことが問題だった。このため新システムでは航行速度を基本情報とした表現に変更した。その結果、最適化の速度が2倍以上に高速化した。染色体の評価値の平均が従来システムに比べ非常に高いことが確認でき、変異に対する耐性が高いため変異を受けた個体が死滅せずに進化する機会が与えられるようになったことが速度向上に寄与していると考えられる。 ・従来システムでは所要時間の見積が詳細でなかったため、寄港数がむやみに多くなる問題があった。新システムでは荷役時間、スケジュールの乱れの回復のための余裕時間等スケジュール評価を詳細にしたことにより、寄港数が増加せず、かつ時間的余裕を保ちながら収益を実在航路に比べ11%増加させることができた。 結果として、収益力があり、運航に無理のない航路案を短時間に作成するシステムを構築する目標が達成された。一方、航路数が実在航路9に対し編成航路案が7航路であった。少ない航路で十分に競争力のある編成を作成できるともいえるが、航路数の増加方向に対する淘汰圧が減少方向に比べ強いと考えられ、これを解決するアルゴリズム開発が課題として残された。
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Research Products
(1 results)