2005 Fiscal Year Annual Research Report
シュウ酸浸出法による重金属含有廃棄物焼却飛灰中のカルシウムの再生循環利用
Project/Area Number |
17760659
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
澤田 佳代 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90372531)
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Keywords | 飛灰 / カルシウム / シュウ酸 / 重金属 / シュウ酸カルシウム / 循環利用 / 不溶化 / 酸性ガス吸収 |
Research Abstract |
本申請研究では、シュウ酸を用いて飛灰中の重金属とカルシウムを分離し、カルシウムを酸性ガス吸収剤として再生するクローズド・システムを新規提案する。提案システムを構築するためにはa)飛灰中重金属のシュウ酸による浸出挙動の解明および制御指針の確立、b)再生吸収剤の性能評価、さらにはc)酸化ウランを用いた低レベル放射性廃棄物焼却飛灰への適用の検討が重要となる。本年度においては以下の研究を行った。 飛灰中重金属のシュウ酸による浸出挙動の解明および制御 I)Eh-pH計算 あらかじめカルシウムや重金属-シュウ酸共存系のEh-pH線図を作成し、重金属とカルシウムを分離するために最適な条件を検討した。 II)実飛灰を用いた浸出実験 実飛灰のシュウ酸浸出を行なった。実飛灰では、重金属の存在形態が不明であり、熱処理過程で生成したシリカ-アルミナを主成分とする灰分中に重金属の一部が包含されているため、試薬混合時の浸出とは異なった浸出率が得られるものと考えられる。実飛灰からの浸出液中の各種成分濃度をICP-AESにて測定することで、シュウ酸濃度や浸出時間が重金属の浸出量に及ぼす影響を検討し、試薬での結果との比較を行なった。また、シュウ酸カルシウムを含む浸出残渣については、乾燥した後、XRDにより同定および酸溶解・ICP-AESによる組成分析を行なった。 III)シュウ酸浸出プロセスの制御指針の確立 ここまでに得られた結果をもとに、実プロセスにおける最適制御法について検討を行なった。具体的には、反応時間の選定、およびEh、pHによる制御法などについて検討を行なった。
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