2005 Fiscal Year Annual Research Report
乾式法向けトリチウム化合物分解用の合金に関する研究
Project/Area Number |
17760664
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
原 正憲 富山大学, 水素同位体科学研究センター, 助手 (00334714)
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Keywords | トリチウム除去 / 乾式法 / トリチウム化合物 / クロム合金 |
Research Abstract |
トリチウム実験施設あるいは核融合実験装置の排気中に含まれるトリチウム化合物の除去方法として,湿式法(酸化吸着法)に替わり乾式法(金属ゲッター利用)が期待されている.しかし,現在研究中の乾式法で使用されているトリチウム化合物分解用の合金はトリチウムと安定な化合物を作る元素を多く含み,合金中にトリチウムを安定に捕獲してしまう問題点がある.これを解決するため,トリチウムと安定な化合物を作らないトリチウム化合物分解用の合金の基礎研究を行うことを目的とする. 上記の目的を達成するため,本年度は(1)試料合金の作製,(2)分解挙動測定装置の作製,(3)炭化水素の分解挙動の測定の3項目を申請した計画に従い実施した.得られた結果及び成果を以下に記述する. 試料合金の作製には既設のアーク溶解炉を使用し,組成の異なる3種類のCr-Cu合金を作製した.X線回折パターンの測定により,相図から予想されるCrとCuが分離した合金が得られた.即ち,アーク溶解炉により目的とする試料を作製できることが明らかとなった.試料作製に並行して,既設の高真空装置に本申請により購入した質量分析計を取付けた.さらに配管の見直しを行った.その後,装置各部の体積測定,装置が生成する真空の質の測定及び加熱に使用する電気炉の作製を行い,分解挙動を実時間で測定できる装置を構築できた.構築した装置を用いて,Cr及びCr-Cu合金によるメタンの分解挙動の測定を始めた.その結果,Cr単体に比べCr-Cu合金は低い温度でメタンを分解し水素ガスに転換し始めることを見いだした.しかし,Cr-Cuの最適組成,及びその耐久性等の検討はこれからであり,来年度の計画に従い実験と検討を行う予定である.
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