2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17760670
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
谷口 正樹 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究職 (60354643)
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Keywords | 水素負イオン源 / 低仕事関数 / 負イオン表面生成 / アルカリ金属照射材 / 6ホウ化ランタン |
Research Abstract |
平成18年度においては、平成17年度に作成した6ホウ化ランタン、及びCs照射タングステン製プラズマ電極を負イオン源内に取り付け、イオン源運転条件下で表面仕事関数測定を行った。各試料をイオン源内で1273Kまで加熱した後、ゆっくりと冷却し、各温度での熱電子電流を計測した。得られたデータより、リチャードソン・ダッシュマンの関係式を適用して仕事関数を評価した。その結果、以下の知見が得られた。 1)6ホウ化ランタンでは、イオン源動作環境での比較的低真空度においても低い仕事関数表面(2.35eV)が得られることがわかった。平成19年度においては、負イオン源に実際に6ホウ化ランタン製プラズマ電極を取り付けて運転し、負イオン生成試験を行う。レーザー脱離法により生成した負イオン量を計測し、モリブデン等の通常のプラズマ電極材との負イオン生成量の違いを調べる予定である。 2)Cs照射タングステンでは、十分な熱電子電流が得られず、金属タングステンの仕事関数(4.5eV)とほぼ変わらないことが示唆された。これはタングステン表面が酸化したためであると考えられる。今後、レーザー照射やグロー放電による洗浄など、表面酸化膜を除去するための方策を検討する必要がある。 また、上記以外の低仕事関数材として、酸化バリウム含浸タングステン材製プラズマ電極の試作を行った。同材料は比較的低温(600℃)でも低い仕事関数表面が得られることが知られている。平成19年度において、仕事関数計測及び負イオン生成試験を行う予定である。
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