2006 Fiscal Year Annual Research Report
超リチウムイオン伝導体によるリチウム同位体分離法の研究
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17760671
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
星野 毅 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究職 (80370469)
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Keywords | 超リチウムイオン伝導体 / 同位体分離法 / 非科学量論性 / チタン酸リチウム / 結晶構造解析 |
Research Abstract |
チタン酸リチウムはLiイオン伝導体として知られている。チタン酸リチウムを用いたLi同位体分離は、水銀アマルガム法と比べて、同等もしくは優れていることが分かっている。理論的には、リチウム同位体分離係数は1.1まで上げることができるが、予備測定では、Li_2Ti_3O_7の同位体分離係数は最高で1.06であった。そこで、同位体分離係数を理論値に近づけるため、イオン伝導率の高い新たな材料の開発を目指し、チタン酸リチウムのLiサイトにLiを過剰に導入するという初の試みを行い、各種特性評価を行った。 雰囲気制御型高温質量分析計を用い、真空中におけるLiを含む蒸発蒸気種(Li、LiO、Li_2O)の全体の平衡蒸気圧を測定した結果、1173KにおけるLi_<2.1>TiO_<3.05>(Li_2O/TiO_2比は1.05)の全Li平衡蒸気圧は、定比のLi_2TiO_3と比べて約1桁高く、Li_2Oより約1桁低いことが分かった。一方、Li_<2.1>TiO_<3.05>について、水素還元で生じる酸素欠損量を熱天秤により調べた結果、1.00以下のLi_2O/TiO_2比を有する試料と比較し、酸素欠損量が少ないことから、Li_M2+x>TiO_<3-y>は還元されにくいこと分かった。この結果から、Li_2O/TiO_2比を1.00より大きくすることで、高温・長時間使用時における試料の結晶構造の変化が小さくなり、化学的に安定したリチウムイオン伝導体であることが分かった。 Li_<2.1>TiO_<3.05>よりLi原子密度の高い試料(Li_2O/TiO_2比>1.05)はリチウムイオン伝導率の向上が見込まれるが、結晶構造中に更なるLi原子を導入する際は、液相法(錯体重合法、共沈法、アルコキシド法等)を利用した合成法を確立しなければならないことが分かった。今後、合成条件(溶解方法、添加触媒、溶液のPH、温度等)の探索を行い、先進超リチウムイオン伝導体の創成を行う予定である。
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Research Products
(1 results)