2005 Fiscal Year Annual Research Report
多層膜スーパーミラーを用いた熱中性子ビーム収束技術の開発
Project/Area Number |
17760685
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
田村 格良 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 東海研究開発センター原子力科学研究所研究炉加速器管理部, 研究員 (80370427)
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Keywords | 熱中性子ビーム制御 / 中性子ビーム制御装置 / スーパーミラー / ベンダー / 極薄基盤 |
Research Abstract |
照射位置で熱中性子ビームを集中させる際に、照射位置を可能な限りビームの取り出し口近傍に配置できるようにするためには、小さな曲率半径で熱中性子ビームを曲げる装置の開発が必要である。平成17年度は本装置の設計を行った。また、使用する部品に関しての選定及び製作性の検討を行った上で、製作を実施した。 本開発においては高密度に並べた多層膜スーパーミラーを用いることとした。開発する装置は、特性波長が2Åである熱中性子ビームの強度を大きく減衰させない点から、曲率半径938mm、3Qcの多層膜スーパーミラーを使用、多層膜スーパーミラー間の距離を0.05mmとし、ビーム方向長さを40mmとした。 計算結果から得られた多層膜スーパーミラー同士の間隙を、適当な寸法に保持するためのスペーサーの検討及び製作を行った。スペーサーは1)厚みが0.05mmで製作誤差が小さい点と2)曲率半径938mmで曲げても割れない点を満たす必要があり、検討した結果、厚みが0.05mmの薄板石英ガラスの製作を行った。 多層膜スーパーミラーの基板となる材料の機械加工上の特性の検討及び製作を行った。本装置の効率を上げるためには、0.05mm厚のミラー基板が使用できれば良い。ミラー基板は表面粗さが非常に小さい必要があり、rms、Ra共に10Å以下にする必要がある。スペーサーに使用した薄板石英ガラスを測定した結果、rmsは6.2Å以下、Raは5.2Å以下となり、スーパーミラー基板として使用できることを確認した。 以上の検討結果から、ミラーホルダーの設計・製作を行った。 平成18年度以降は、製作したミラー基板に多層膜を成膜し、多層膜ミラーの製作を行う。さらに、その多層膜スーパーミラーを用いて熱中性子ビームを短距離で曲げる装置の集合体として組み上げる。また、実際に熱中性子ビームを使用した実験を開始する。
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