2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17760694
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Research Institution | Institute of Research and Innovation |
Principal Investigator |
石川 敬司 (財)産業創造研究所, 柏研究所化学研究部, 研究員 (50392733)
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Keywords | 水素吸着 / 水素吸蔵 / メソポーラス材料 |
Research Abstract |
本研究では、水素分子と親和性の高いLi担持による水素吸着量の増大が報告されている、Li担持メソポーラスシリカを作製し、水素吸着特性及びLi担時状態の評価を行った。 本年度は、昨年度得られたLi担持メソポーラスシリカ(MCM-48)について、窒素吸脱着測定による細孔径や細孔容量、比表面積の測定及びXRDによる細孔構造の評価を行い、それらの材料について定容法による水素吸着特性の評価を行った。また、ESRによってLi担持状態についても考察した。 担持前のMCM-48は2.8nmにピークを持った細孔径分布を示し、大きな細孔容量と比表面積を持つが、Li担時によって細孔径分布のピーク、細孔容量及び比表面積の低下が見られた。また、XRDピーク強度の低下も見られ、Li担持によって構造の一部が壊れている可能性が示唆された。 水素吸着特性は、温度及び圧力条件がそれぞれ常温、0〜1atmにおいて、MCM-41についての既往の報告とは異なり、H担持による水素吸着量増大は見られなかった。また、常圧での水素吸着量は3口mol/g程度と、Li担持MCM-41について報告されている水素吸着量の50分の1程度であり、期待した水素吸着特性は得られなかった。 MCM-41と同様にLi担持によりESR活性なLiの存在が確認されているが、細孔容量及び比表面積の減少、結晶構造の一部破壊により、水素吸着量の増大に至らなかったものと考えられる。 MCM-41及びMCM-48の水素吸着量の違いについては今後検討する必要がある。
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