2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17770003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大橋 英治 京都大学, ウイルス研究所, 研究員 (90378951)
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Keywords | DNAポリメラーゼ / 損傷乗り越え複製 / 突然変異 / 相互作用 |
Research Abstract |
本研究では損傷乗り趨え複製酵素の代表例として知られるYファミリーDNAポリメラーゼ群(ヒトではPolη、Polι、Polκ、REV1)の細胞内での挙動を解析し、損傷乗り越えの全体像を解明することが目的である。我々はREV1がそのカルボキシル末端に於いてPolη、Polι、Polκと相互作用することを見いだし、昨年度に報告した。本年度はこれらの相互作用をRUBY法というDsRed融合タンパグ質を用いる手法により生細胞内で定量的に解析することを試みた。PolκとREV1が相互作用している細胞の割合がUV照射後に増加することを観察した。相互作用している細胞は現在非常に低い割合でしか観察されておらず、解析結果の判断が難しい。今後、相互作用している細胞をより効率的に検出することが課題である。また、損傷乗り越え複製酵素の複合体を丸ごと同定する目的でタグを付加したPolκを安定に適量発現する株を作成しているが、経代するにつれて発現が減少するものがほとんどであり、大量に精製するのに適したものを得るには至っていない。一方、REV1と他のYファミリーDNAポリメラーゼ群の相互作用様式について新たな知見が得られている。我々はこれまでにPolκのREV1との相互作用領域を560から575番目のアミノ酸56アミノ酸にまで限定しており、その領域を更に詳細に解析した。Polκの12アミノ酸程度の領域がREV1との相互作用に必要充分であり、その中に存在する連続する二つのフェニルアラニン(FF)が最も重要であることを明らかにした。FF配列はPolηやPolιにも存在し、やはりREV1との相互作用に必須であることが明らかになった。今後、フェニルアラニンをアラニンに置換した変異Polκが細胞内でどのような挙動を示すのかも含め、REV1とYファミリーDNAポリメラーゼの相互作用の生物学的意義に迫る。
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Research Products
(2 results)