2005 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエにおけるポリコーム群及びトリソラックス群の核内動態の解析
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17770004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 陽子 (高中 陽子) 京都大学, 医学研究科, 教務補佐員 (50397551)
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Keywords | ヒストン / ポリコーム / 不活性(ヘテロ)クロマチン |
Research Abstract |
ポリコーム蛋白質群はショウジョウバエのホメオティック変異の研究から発見され、現在では、発生、形態形成、細胞増殖、エピジェネティック制御など幅広い生命現象に関わっていることが示されつつある。近年、ポリコーム蛋白質群は、不活性クロマチン状態の維持に関わるヒストン修飾という役割を持つことが明らかになってきた。ポリコーム蛋白質群は大きく2つのグループに分けられ、EED-EZH2複合体はヒストンH3K27のメチル化に、もう一方のPRC1複合体はヒストンH2A-K119のユビキチン化に働くことが示された。当初、本研究では、ショウジョウバエの胚および羽の発生過程におけるポリコーム因子の、FRAP解析を用いた核内動態についての解析を主な目的に掲げたが、同様の実験がArndt-Jovinらによってごく最近になって報告された。そこで現在は、ポリコーム蛋白質群が修飾するヒストンと、不活性クロマチン領域について焦点を絞り、研究を進めている。具体的には、まず不活性クロマチン領域とヒストン修飾の関係を明らかにするために、クロマチン免疫沈降法の技術の条件検討を行った。これまでにメチル化・アセチル化などを認識するヒストン修飾抗体を用いて良好な結果を得ている。そこで、ポリコーム蛋白質とヒストンの修飾をゲノムレベルで明らかにするために、それらの抗体を用いたタイリングアレイを計画中である。
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Research Products
(1 results)