2005 Fiscal Year Annual Research Report
マウスは胚盤胞の頃に既に雌雄の差を有しているのか?
Project/Area Number |
17770005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 慎 大阪大学, 微生物病研究所, 特任助手 (10397664)
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Keywords | 胚盤胞 / 雌雄差 / DNAアレイ / GFP / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
哺乳類では、Sryの発現が引き金となって生殖腺の性が決まり、次いで生殖腺からの性ホルモンが全身に作用して雌雄に様々なちがいを引き起こすといわれている。最近、ほ乳類では生殖腺で性の決定が起こる前に雄雌の胚で一部の遺伝子の発現強度が異なることや、脳における一部の性分化が生殖腺の性に依存せずに起こっている可能性が示唆された(Nature,427,390-392,2004)。これらのことからSryの発現に依存しない個体の性分化という新しい考え方に注目が集まりつつある。本研究では、哺乳類において生殖腺の性決定以前の胚盤胞で既に雌雄の差が存在しているという仮説をたて、マウス胚盤胞に注目して、雄と雌の胚で発現が異なる遺伝子があるかどうかを検討した。解析に用いた雌雄胚盤胞は我々の研究室で開発した性判別法を用いて選別回収した。この系はX染色体上にGFP(Green fluorescent protein)トランスジーンを挿入した遺伝子組み換えマウスを用いることにより、着床前のマウス胚で雌雄の判別を非常に高い精度で可能にしたものである。最終的に1000個の上る胚盤胞の雌雄選別を行い、得られたサンプルからRNAを回収、DNAマイクロアレーにより発現解析を行った。その結果、胚盤胞の時期に雌雄で発現が異なる遺伝子候補が600個近く同定でき、遺伝子発現の点では着床前に明確な雌雄差があることが示唆された。
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Research Products
(1 results)