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2005 Fiscal Year Annual Research Report

雌性先熟魚類の複婚社会に共存する一次雄の出現機構の解明

Research Project

Project/Area Number 17770017
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

坂井 陽一  広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 助手 (70309946)

Keywords性転換 / diandry / 繁殖戦略 / 社会調節 / ベラ科魚類
Research Abstract

本年度は、研究手順および研究対象魚種の実験への適合性を慎重に確認しながら、以下の4つの実験・調査を実施した。
1)一次雄の性転換実験
キュウセンの一次雄を用い、「劣位条件下で雌へ性転換する」という仮説に基づいた水槽飼育実験(ペアn=4,トリオn=2、5-8個体グループn=3)を8月より3月まで実施した。いずれにおいてもメスへの性転換は確認できなかったが、大個体から小個体への行動面での干渉が充分ではなかったことが原因と推察された。飼育環境の改善点等、実験の鍵となる知見を獲得した。
2)幼魚飼育による一次雄の出現パターンの分析
キュウセン幼魚を5月に採集し、「優劣関係が一次雄の性分化に関与する」という仮説に基づき、幼魚ペア16セット、幼魚10個体同居2セットを2ヶ月飼育した。その結果、いずれのセットでも性比がメスに偏ることが判明した。一次雄からメスに変化した痕跡のある生殖腺も確認した。詳細に性分化条件を詰めていきたい。
3)幼魚の社会行動の野外調査
鹿児島県口永良部島のリーフにおいて、一次雄の出現するベラ科魚類の幼魚の生息状況についての潜水調査を6月に実施し、トカラベラ、ヤマブキベラ、セナスジベラの3種に絞り、調査区域設置のための基礎データを獲得した。
4)野外における一次雄の性転換の頻度調査
広島県倉橋島に定点調査区域を設置し、キュウセンとホンベラを対象に、標識放流・再捕獲を8月より繁殖期の終了する9月末まで毎週実施した。キュウセン累計60個体、ホンベラ累計300個体を採集し、再捕率は約20%であった。ホンベラにおいて一次雄から雌への性転換を1例確認した。本調査成果の一部を日本動物行動学会第24回大会で発表した。
このような結果を踏まえ来年度はこれら4つの実験・調査を継続させ、一次雄の雌雄同体性と出現機構についてさらに検討を進めたい。

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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