2006 Fiscal Year Annual Research Report
シアノバクテリアにおける光合成電子伝達鎖のレドックス検知機構の解明
Project/Area Number |
17770029
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
日原 由香子 埼玉大学, 大学院理工学研究科, 助手 (60323375)
|
Keywords | シグナル伝達 / 発現制御 / 生理学 / シアノバクテリア / 光合成 |
Research Abstract |
LuxR型低分子量転写因子PedRは光合成電子伝達活性の低い弱光下でいくつかの遺伝子の発現を制御している。しかし光合成電子伝達活性の高まる強光下では一過的に不活化され転写調節能を失う。本実験ではPedRにアミノ酸置換を導入し、標的遺伝子の発現レベルがどのように影響を受けるか調べることによりPedRの光合成電子伝達活性の検知に関わるアミノ酸残基を同定することを目的とする。そのために(1)PedRへのアミノ酸変異導入と(2)標的遺伝子の発現レベルを調べるためのレポーター系使用の、2つの実験方法検討をおこなった。(1)のアミノ酸変異導入については、error prone PCR法の適用を試みたが、効率的にアミノ酸置換を得る実験条件を見いだすことができなかったため、部位特異的変異導入キットを用いて、標的アミノ酸残基のアラニン残基への置換を行った。現在、このアミノ酸置換コンストラクトをpedR破壊株に形質転換し、変異導入株を作製中である。(2)のレポーター系使用に関しては、バクテリア、ホタル両方のルシフェラーゼ遺伝子の使用を試みたが、レポーターが、実際の遺伝子発現レベルを反映しない、発光レベルが低すぎる、等の問題点が明らかになり、引き続き実験条件の検討を行う必要がある。今後は、PedRへのアミノ酸変異導入株を用いて、弱光下、強光下におけるPedR標的遺伝子の発現レベルをノーザン法により解析することで光合成電子伝達活性の検知に関与しているアミノ酸残基を同定していくことを考えている。
|