2007 Fiscal Year Annual Research Report
シアノバクテリアにおける光合成電子伝達鎖のレドックス検知機構の解明
Project/Area Number |
17770029
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
日原 由香子 Saitama University, 大学院・理工学研究科, 助教 (60323375)
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Keywords | シグナル伝達 / 転写制御 / シアノバクテリア / 光合成 / 光順化 |
Research Abstract |
LuxR型低分子量転写因子PedRは光合成電子伝達活性の低い弱光下でいくつかの遺伝子の発現を制御している。しかし光合成電子伝達活性の高まる強光下では一過的に不活化され転写調節能を失う。この活性変換の際に、PedRが構造変化を起こすことが、抗PedR抗体を用いたウェスタン解析により明らかになった。すなわち、不活型タンパク質の泳動度が活性化型より遅れることを見出した。そこで、光合成電子伝達活性の検知ならびに活性変換メカニズムを解明するために、PedRヘアミノ酸変異を導入し、弱光下、強光下におけるPedR標的遺伝子の発現レベルをノーザン法により調べた。シアノバクテリアのPedRオルソログ間で高度に保存されているK40、T54、T56、W65、K71をそれぞれアラニンに置換した結果、PedRの転写因子としての機能に、以下のような影響が見られた。K40A、T54A:リプレッサー、アクチベーターの両機能が弱まる。T56A:特に影響なし。W65A:アクチベーター機能が失われる。K71A:リプレッサー、アクチベーターの両機能が失われる。今後はこれらの変異株について、光強度変化時のPedR活性変換がどのように行われているかどうかを、ウェスタン解析により調べていきたい。さらに、TOF-MS解析により、PedR活性型・不活型がそれぞれどのような修飾を受けているか調べることを予定しており、その準備としてPedRを過剰に発現するSynechocystis sp. PCC 6803株を作製した。
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