2005 Fiscal Year Annual Research Report
コケ植物におけるブラシノステロイドの働きに関する研究
Project/Area Number |
17770030
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
笠原 賢洋 立命館大学, 理工学部, 助教授 (70361748)
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Keywords | ブラシノステロイド / コケ植物 / ヒメツリガネゴケ / DET2 |
Research Abstract |
本研究では、コケ植物におけるブラシノステロイドの機能を明らかにするために、ヒメツリガネゴケよりその生合成に必須な遺伝子を単離し、相同組換えによって遺伝子破壊株を作製する。遺伝子破壊株の解析や遺伝子の発現場所などを解析することによって、コケ植物の生活環のどの部分にブラシノステロイドのホルモン作用があるのかを明らかにすることを研究目的とする。 DET2(steroid 5α-reductaseをコードする遺伝子)は、シロイヌナズナでブラシノステロイド生合成に必須な遺伝子である。ヒメツリガネゴケESTデータベースにDET2と相同性を示す遺伝子(PpDET2)が存在したので、RT-PCR法によってPpDET2のcDNAをクローニングし、配列を決定した。PpDET2は258アミノ酸のタンパク質をコードし(シロイヌナズナDET2は262アミノ酸)、シロイヌナズナDET2と43%の相同性(アイデンティティー)を示した。また、シロイヌナズナDET2をプローブに用い、ヒメツリガネゴケcDNAライブラリーをスクリーニングした。その結果、RT-PCRで得られたPpDET2と同一のcDNAのみが複数得られた。ヒメツリガネゴケで発現している遺伝子の中で、PpDET2がシロイヌナズナDET2と最も相同性が高いと考えられる。 ヒメツリガネゴケの相同組換えによってPpDET2遺伝子破壊株を作製した。遺伝子破壊株には、生育速度や形態の変化といった際だった遺伝子破壊による表現型の違いは見られない。今後さらに詳細な観察、生理的解析を行う計画である。
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Research Products
(1 results)